※色彩検定AFT3級 過去問使って検定対策(1)光と色、眼のしくみ、照明と色、混色
色彩検定AFT3級 過去問使って検定対策(2)色の表示(表色系)
色彩検定AFT3級 過去問使って検定対策(3)色彩心理の続きです。
この対策ブログ(4)では2020年 冬期の問題(9)~(15)の、「色彩配色」「配色技法」「ファッション」「インテリア」について確認していきます。
※ここでも、公益社団法人 色彩検定協会発行 色彩検定公式テキスト3級、公益社団法人 色彩検定協会発行 色彩検定過去問題集2・3級 2020年度、財団法人日本色彩研究所監修 新配色カード199シリーズは用意しておきましょう。
色彩検定3級 2020年の冬の問題をみて覚えることや覚えることを確認しましょう! 問題9,10
実際の2020年冬の過去問をもとに覚える内容を確認しましょう!
問題9は、「色彩調和」(公式テキストp70~89)から文章問題とカラー問題が出題されました。
問題10は、「色彩調和」(公式テキストp70~89)から一問一答形式でカラー問題が出題されました。
→今回の配色ではトーン配色が多く出題されました。
【色彩調和でおぼえること】公式テキストp70~89
□配色とは、2色以上の色を何等かの目的にしたがって効果的に組み合わせること
□よい配色とは調和した配色
□調和とは統一(まとまり)の要素と変化(動き)の要素のバランスが取れた状態
※調和とは、統一の要素と変化の要素のバランスを考えることがポイントになるため、配色では統一の要素と変化の要素を理解することが大切になります
配色を考えるときは「色相を手掛かりにした」配色のルールと、「トーンを手掛かりにした」配色のルールの2つの考え方があります
色彩検定3級【色相を手がかりにした配色】公式テキストp70~83
□色相の関係に着目して分類するため、トーンは自由に選ぶことができる
□色相環の位置関係で統一と変化の要素に分かれる
2色で配色を考えた時、1つの色に対して色相環上でどれだけ離れているかで考えます。近い関係のものは統一となり、離れるほど変化の要素が強くなります。
色相番号8番を起点にした場合、トーンが異なる同じ番号同士の組み合わせは
色相差が0となりますが、その組み合わせが同一色相配色になります。
色相番号8に対して、右隣りの9番や左隣りの7番は、
色相番号差が1となり隣接色相配色になります。
隣接色相は奇数番号になるため、配色練習の時はvトーンを使わないと作れません。
このように起点となる色相番号8番の色から、左右それぞれ離れていき
最終的に色相番号8番と12色相差離れた位置の色相番号20番が最大離れた配色になります。
□色相環での2色の位置関係で考える
□一方の色の位置から左右の色相環上で何色相差離れているか
□0色相差~最大12色相差まであり、6種類の配色パターンがある。
→今回の配色の問題は10Bで、スニーカーの色と靴ひもの色の関係が対照色相配色になっているものを選ぶものですが、①~③はトーンは対照的なものが多いですが、色相差があるものは④しかないので色相配色としての関係性がわかっていれば比較的解きやすい問題と思います。
色彩検定3級 【トーンを手がかりにした配色】公式テキストp84~89
□トーンの関係に着目して分類するため、色相は自由に選ぶことができる
□トーンの概念図の位置関係で統一と変化の要素に分かれる
トーン配色もトーンの概念図の位置関係で統一か変化かを考えます。2色の関係が近いほど統一であり、離れていると変化になります。
□同一トーン…色相違いの同じトーン同士の組み合わせ 例)p8×p18など
□類似トーン…隣り合うトーンの組み合わせ 例)p8×lt18など
□対照トーン…トーンの概念図で大きく離れた組み合わせ 例)p8×dp18など
→今回は問題9A~Gはトーン配色についての文章問題です。
Aは同一トーンを選ぶ問題なので、同じ色相の①や②は消去されます。そして③か④で④が同じトーンの感覚がわかれば、④を選べます→この感覚は配色練習をしていないと難しいところです。
同様にDの問題も対処いうトーンを選ぶ問題で、配色全体として、明度彩度のメリハリ感があるものを選ぶことができれば③と答えられると思います。
Bは同一トーンに対してのイメージなので、①のまとまり、が答えです。
Cは対照トーンの問題で、意味としてトーンの区分でどのような組み合わせかを問う問題なので、距離が大きく離れたが答えです。
Eは、トーンの区分で対照トーンになりえるものですが、中間色の意味が分からないと答えられないですね。中間色はltg、g、sf、dトーンが中間色になりますがこの中でトーン区分で大きく差があるのは③の明清色と暗清色になります。
Fは彩度の対照トーンとなりえるトーンの組み合わせを考えればよく、この場合は④のpトーンとvトーンが答えです。
Gは、明度も彩度も対照的な組み合わせを答える問題で、②のdkトーンとltトーン、④のpトーンとdpトーンはともに対照トーンになりますが、②は明度のみが対照トーンの関係なので、④が答えになります。
こうした問題はトーンの概念図のトーンの位置がきちんと理解できていないと答えられないので、トーンの位置関係をしっかりと覚えておく必要があることがわかりますね
また問題10のカラー問題はカラーの問題としてAの問題が出題されており、③と④はトーンが類似と思いずらいですが、①と②は比較的近い感じがすると思います。そして今回はこちらは①と②がともに回答になっていました。
なお配色を考える場合、色相とトーンはどちらも関係するものになるので、色相の関係とトーンの関係を総合的に考えていくことが大切です。
色彩検定3級 【色相とトーンを組み合わせた配色】公式テキストp90~91
色相配色とトーン配色の両方を考えて配色全体としてまとまり感があるのか、変化なのかを整理した内容です。
□配色としてまとまりが感じられる配色
例)p8×lt8 など
例)b18×dp18 など
例)g18×v18 など
□配色として変化が感じられる配色
例)v8×v20 など
例)b2×dp14 など
色彩検定3級 【配色の基本的な技法】公式テキストp92~97
色相配色とトーン配色をベースにした調和のとり方として基本的な3つの技法を理解しましょう。
□アクセントカラー 公式テキストp92~93
□セパレーション 公式テキストp94~95
□グラデーション 公式テキストp96~97
アクセントカラーとセパレーションカラーはともに小面積で使う色ですが、役割が違います。それぞれ比較して理解しましょう。
【アクセントカラー】公式テキストp92~93
□小面積で配色全体を引き締める色のこと=強調色
□配色に変化を与える、配色を強調する、特徴の部分を目立たせる場合に効果的
□目立つ色を小面積で使う
□単調で平凡な配色にアクセントカラーを少量加えることで変化を与えたり強調したりして配色全体の印象を強くすることができる
□ベースカラー―…基調色 面積は全体の約70% 配色では最も大きな面積の色
□アソートカラー…配合色 面積は全体の約25% ベースカラーの次に面積の大きい色
□アクセントカラー…強調色 面積は全体の約5% 小面積で変化をつける色
*ベースカラーとアソートカラーは平凡で単調な色の組み合わせ、つまり色相もトーンも統一の要素で組み合わせたものになります。それに対して、アクセントカラーは色相もトーンも対照的な色を選ぶと配色のポイントになります。
色彩検定3級 【セパレーション】公式テキストp94~95
□セパレーション=分離
□色と色との境界に別の色を挿入しそれぞれの色を分離させ、配色全体のコントラスト感を調整する
□ほかの色を引き立てる色で明度差が大きくなる色を使う
□ベースカラーとアソートカラーが平凡で単調な場合と、また高彩度で補色配色のようなギラギラした配色にセパレーションを挿入する2つのパターンがあります。
*セパレーションは一般的には、無彩色や低彩度の色を入れることが多いですが、いずれにしても明度差をつけることが大切です。
*アクセントカラー、セパレーションともに明度差が大きいほど効果があります。
→今回の問題では、問題9のIJでセパレーションが、問題10EFでアクセントカラーが出題されました。
問題9I 高彩度の補色の配色の図版があり、それに対してコントラストを調節する技法の名称なのでそのままセパレーションが入ります。また具体的に色ですが、明度差のある色は①の白がその回答になります。
また問題10ではアクセントカラーについての説明で、②の最も小さい面積で使用する、が答えになります。(①の基調色はベースカラーの意味で、無彩色を使うより高彩度の色を使うほうが一般的またほかの色とトーンをそろえては目立たないので、答えは②しかないです)
また問題10のFとしてアクセントカラーとなるクッションを選ぶ問題では、一番目立つ色をそのまま選べば良いので①の鮮やかな黄色を選ぶとよいです。
色彩検定3級 【グラデーション】公式テキストp96~97
□色を段階的にリズミカルに変化させながら配列した多色配色
□色の要素(色相・明度・彩度・トーン)を規則的に変化させて、流れるようなリズムを作る
□色を並べる順番がバラバラだと連続性によるリズムが生じないため、グラデーションとは呼ばない
□色の境界がはっきりしないスペクトルや虹、夕焼けの空などの連続した色の変化もグラデーションと呼ばれる。
□色相変化のグラデーション
配色練習をする場合、色相番号を注目して、14,15,16,17や2,4,6,8,など、色相差1か2で作成すると綺麗な色相のグラデーションを作成できます。
□明度変化のグラデーション
配色練習をする場合、同じ色相で、同じ彩度領域の
pトーン⇔ltgトーン⇔gトーン⇔dkgトーンやltトーン⇔sfトーン⇔dトーン⇔dkトーンで作成すると綺麗な明度のグラデーションが作成できます。
□明度と彩度(トーン)の変化のグラデーション
配色練習をする場合、同じ色相で、pトーン⇔ltトーン⇔bトーン⇔vトーン、の明清色+純色か、dkgトーン⇔dkトーン⇔dpトーン⇔vトーンで作ると綺麗な明度と彩度(トーン)のグラデーションが作成できます
*グラデーションは隣り合う色が、色相やトーンが類似した関係になりますが、両端の色は反対の要素を持つこともあるため、色の類似性と対照性を含む調和しやすい配色です。
→今回の問題では、問題10のC,D,グラデーションが出題されました。
問題10C 色相のグラデーションをカラーの選択肢から選ぶ問題です。①は無彩色のグラデーションなので、明度のグラデーション、また④は同じ緑の明度彩度のグラデーションなのでどちらも回答にはなりえません。そして②はしたが白になっており、4色のグラデーションが成立してなく、③のみが色相が変化しているグラデーションです。
問題10D 明度かつ彩度のグラデーションなので、色相が変化している①は違います。また②と③は変化が段階的な変化ではなく④のみが色相が緑でまとまっていて、暗清色と純色の変化のグラデーションなので④が答えです。
色彩検定3級 2020年の冬の問題11以降の配色を応用したファッションとインテリアの問題
問題11以降は、ファッションやインテリアについての考え方の確認と、ファッションやインテリアでの配色や色の心理的効果の応用問題になっています。
考え方については、用語の意味がそのまま出題されている問題が多いので、テキストの言い回しや意味などをしっかり理解しましょう。
また、配色技法については、ベースとなる考え方は変わらないのですが、拡大解釈をされて出題されることもあり、本来の意味だけで考えると回答できなくなるところもあるので、気を付けましょう。
問題11について Aの問題についてはファッションコーディネートにおける色彩についての考え方の問題です。回答は③ですがテキストの文章がそのまま出題されています。
尚、B以降は、配色についての問題です。
Bについては、ベースカラーの意味となっている①が回答、Cについてアクセントとしての意味なので、①の面積を大きくは違いますし、③の多色のコーディネートをまとめるものでも、④のアクセントカラーとしてほかの色と類似した色を選ぶことも違うので②が答えになります。
Dはセパレーションについてで、①はアクセントの説明、③はセパレーションの色づかいとして明清色が使われるとありますが、一般的には無彩色や低彩度の色なので、違います。②と④ですが、④のほうがよりセパレーションの説明なので、④が回答です。
問題12~14はファッションの写真を見てファッションコーディネートとしての配色を4択から考える問題です。
例えば、問題12のAですが、写真を見て、③の同一色相でも、④の補色色相でもなく(赤と黄色なので)また」①の対照トーンにしては、そこまで明度や彩度でメリハリがあるわけではないので、②の類似トーン、というのが答えになります。
また気を付ける必要があるのが、
問題14のAですが、③か④のどちらかを選ぶことになると思います。セパレーションはベルトのように色と色を分離しているものになりますが、そういう位置づけのアイテムではないですね。アクセントのイメージはどうしても彩度が高いものとイメージしてしまいがちですが、新テキストでは、必ずしも高彩度ということばかりがアクセントとしていないので、使われている位置やアイテムなどでセパレーションになるのか、アクセントになるのか、考えられるようにするとよいです。
問題15について インテリアカラーについての問題です。Aはインテリアカラーの考え方で、配色としては③の室内やインテリアイメージの方向性にあった配色を考えるが答えです。
B以降は、配色としての問題や色の心理的効果についての問題です。Bは、写真を見ると統一感のある配色になっているので、③④は消去します。そして①は統一となってますが、対照系の色相とある段階で、統一感をもたらす配色にはならないので、答えは②になります。(そう考えるとCは、①か③しか、選択しないと思いますが、床と壁は同じトーンではないので回答は③です)またDやEは色の心理的効果の問題ですが、近く感じさせるものは、進出色の条件となり、暖色系から選ぶので①を、Eは、涼しさを感じさせる、となると寒色系なので青系を選ぶことになるので、②になります。Fの問題は床・壁・天井の順で明るくしていくのがインテリアカラーの基本になるので④が答えになります。